横浜の隣に位置する横須賀。近い位置・似た名称であることから、混同してしまう方もいることでしょう。しかし、横浜と横須賀は似ても似つかない場所同士。それぞれ違った魅力を有しています。
今回は横浜に30年以上暮らしている筆者が、横浜と横須賀の違いを解説します。
横浜と横須賀の違い9選
横浜と横須賀は隣接する神奈川県の市ですが、それぞれ違った個性を有しています。比較してみると、意外とおもしろい違いがあったりすることも。ここでは、筆者が特におもしろいと感じた横浜と横須賀の違いを紹介します。
①バスの料金システム
横浜と横須賀の違いとして、まず挙げられるのがバスの料金システム。横浜市の場合、大半のバスが一律料金の定額制です。どれだけ乗車していても、運賃は変わりません。
近くの場所に移動するときは不便ですが、離れたところにバスで向かうときはお得になりやすいです。特に中区近辺はこの乗車システムを採用している割合が多い印象。ただし、横浜市全域がそうとは限らず戸塚駅発のバスなど一部では後払いシステムを採用しています。
一方、横須賀のバスは距離に応じて運賃が変わるシステムが多め。近ければ安く遠ければ高くなっておくパターンとなります。
バスの料金システムが異なるということは、運賃を支払うタイミングも違うということ。横浜の一部地域では乗車時に払いきりますが、横須賀では乗車時にICをタッチ、もしくは乗車券を取り降車するときに運賃を支払うことが多い印象です。
引っ越した時、戸惑う方は多いはず
②横須賀には区がない
横浜には計18区の区があり、それぞれに行政を担当する区役所が存在します。一方、横須賀には区、という区分がありません。代わりに地区で分かれていますが、行政は横須賀市役所が管理しています。
区ごとに行政がある横浜とは大きな違いです
③ソウルフード
ソウルフードとは、各地域で有名な料理のこと。地元民から愛されている名物ともいえます。横浜や横須賀にもソウルフードがありますが、特徴はだいぶ異なります。
- 横浜:サンマーメン、シュウマイ
- 横須賀:ポテチパン、海軍カレー、ネイビーバーガー、のりだんだん
横浜は中華街の影響もあるのか、サンマーメンやシュウマイといった中華風のソウルフードが多め。一方、横須賀はカレーやネイビーバーガーなど西洋の影響を感じさせるソウルフードが多いです。
④軍港と貿易港
横浜と横須賀には、どちらも港がありますが目的は大きく異なります。
- 横浜港:貿易港・客船寄港として機能
- 横須賀港:軍港として機能しており、軍艦・潜水艦がある
横須賀には米軍基地がある関係で、港は軍港として機能。横須賀軍港にある軍艦などは観光スポットとして人気があります。
⑤中国人が多いかアメリカ人が多いか
横浜は中華街があるため、やや中国人が多い傾向にあります。特に中区の山下エリアは顕著でしょう。一方、横須賀の場合は米軍基地があるからか、アメリカ人の姿をよく見かけます。
中国とアメリカ。こうした土地柄ゆえの事情も横浜と横須賀のおもしろい違いでしょう。
⑥無人島があるかないか
横須賀には無人島「猿島」があります。東京湾の中で最大級の無人島とされており、観光名所としても人気が高くツアーも開催されています。戦争時代の要塞跡、生い茂る自然、雄大な海の組み合わせは幻想的。島内の雰囲気は、有名映画「天空の城ラピュタ」の世界観と似通っているとも言われており、訪れるジブリファンも多いです。
他にも、無人島・離島とは少々異なりますが、横須賀には天神島・笠島があります。(笠島は自然保護のため一般人の上陸は禁止されています。)
一方、横浜には猿島のような無人島がありません。ただし、名所となっている島はいくつかあります。
- 八景島:金沢区にある人工島。八景島シーパラダイスで有名
- 琵琶島:金沢区にある琵琶に形が似ている島
- 野島:平潟湾にある島。野島公園で有名
⑦横須賀はトンネルが多い
実は横須賀市は、日本一トンネルの数が多い街と言われています。一説では、約120以上のトンネルが存在しているとされています。横須賀にトンネルが多い理由は、山に囲まれた立地だから。移動するためには山を越える必要があったため、多くのトンネルが開通されたそうです。
一方、横浜市の道路トンネルの数は28とのこと。横須賀が段違いにトンネルが多いことが分かります。
⑧横浜は神奈川県の政令指定都市
横浜は神奈川県の政令指定都市です。
指定都市とは、地方自治法で「政令で指定する人口50万以上の市」と規定されている都市のことです。
「政令指定都市」、「政令市」、「指定市」などといわれることもありますが、ここでは地方自治法にしたがって、「指定都市」という名称を使っています。
引用:指定都市市長会
ざっくり言うと、政令指定都市とは日本の大都市と言える街です。政令指定都市となった市は、都道府県に近い行政運用が可能となります。端的に言えば、住みやすさが高いです。
一方、横須賀市は中核市という立ち位置となります。人口20万人以上の市が該当要件。政令指定都市のように一部の行政を市独自で行えますが、権限の強さは政令指定都市の方が上です。
⑨ペリーが来航したタイミング
横浜と横須賀は、どちらも黒船・ペリーが来航した場所です。ただし、タイミングがそれぞれ異なります。横浜にペリーが来航したのは1854年。現在の横浜市金沢区についたそうです。一方、横須賀に訪れたのはそれより前の1853年。現在の横須賀市・久里浜に上陸したペリーは大統領親書を渡したそうです。
日本の鎖国を終了させ開港となったのは横浜ですが、はじめてペリーが来日したというのであれば、横須賀と答えるのが妥当でしょう。
横浜駅から横須賀へのアクセス
横浜駅から横須賀に向かうには、京急線を利用します。移動には少し時間がかかり、横須賀中央駅まで約40分、追浜駅まで約25分かかります。
横浜も横須賀もいいところ!
筆者は横浜市民であるため横浜推しですが、魅力は正直どちらもたくさんあります。一概にどちらが優れているかを決めることはできないでしょう。それは住みやすさも同じこと。横浜には横浜の、横須賀には横須賀の住みやすさがあるため、優劣を決めることはナンセンスです。
ただ、横浜から横須賀もしくは横須賀から横浜に引っ越してきたときは、色々な違いにビックリする機会が多いはず。
横浜・横須賀間で引っ越しされる方は、今回の記事を参考にしてみてください!