東京に次ぐ大都市として年々、人気が高まっている横浜。都心部・地方へのアクセスが良く、緑も多く、オシャレなお店も多いため、ひとり暮らしの若者から子育て中の家族世帯にまで多くの方が横浜に住んでいます。
しかし、それだけ人気が高い横浜の中にも住んではいけない、と噂される土地があります。
今回は横浜歴30年以上の筆者「はまっ狐」が、横浜の住んではいけないと言われることが多い土地を紹介します。
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住んではいけないと噂される横浜の土地
先に結論を述べると、住んではいけないと噂される横浜の土地は中区に多いです。便利で人が多く栄えている分、一部のエリアでは治安が懸念されています。
とはいえ、いずれも「あくまで住んではいけない」と噂される程度の話です。その噂が出る理由はあれど、極端に怯えることはないでしょう。実際に居住されている方もいます。男性のひとり暮らしであれば、今回紹介する土地でも住めば都になるはずです。
黄金町
横浜の中で、ダントツに評判が悪いのは中区にある「黄金町」。元々、黄金町は問屋街でしたが、戦後に売春・麻薬街として機能していた過去があります。当時の治安の悪さは警察も手を焼いていたそうです。
また、昔は外国人の娼婦も多く住みついていたとのこと。その影響があるのかないのか、黄金町に住む外国人も多い印象。そのため、外国人トラブルも珍しくはないようです。筆者は「当り屋してくる外国人が多い」という噂も耳にしたことがあります。
そうした闇が深い印象の黄金町ですが、環境改善の動きは少しずつ進んでいます。2005年には、神奈川県警による大規模摘発、通称「バイバイ作戦」が実行され違法店を一掃。2022年には、暴力団排除特別強化地域に指定されました（1～2丁目）。
また、地元住民やNPO法人、行政、警察、大学などによるイメージ改善の努力も進められており、「アートによるまちづくり」も行われており、変わりつつあります。
一方で、町の治安が良くなったかというと、まだ微妙。暗い道も多く人通りも少なめなのでひとり暮らしには不向きです。
寿町
寿町は横浜市中区に位置するエリアのひとつ。東京の山谷、大阪のあいりん地区（釜ヶ崎）に並び日本三大ドヤ街のひとつに数えられている土地です。（ドヤ街：日雇い労働者が多く住む地域のこと）
日雇い労働者が仕事を探しに来る寄せ場があり、簡易宿泊施設（通称：ドヤ）も点在しています。ただ、寄せ場に関しては、いまでは昔のように機能していないそうです。
その性質上、質を問わねば安く住める・食べられる環境があり、炊き出しなどのボランティア活動も行われています。そのため、生活保護受給者や困窮した高齢者などが多く集まっているといわれています。
横浜の中でも特殊といえる地域であり、治安も悪め。女性のひとり暮らしや家族世帯での引っ越しはあまりおすすめできません。
寿町の暮らしは本にもなっています！
福富町
横浜市中区にある福富町は、横浜内でもトップクラスに風俗店が多い地域。加えて、韓国人・韓国系店舗が集合するコリアタウンでもあります。コリアタウンといっても横浜中華街のように観光名所化しているわけではなく、韓国系の人達が自然と集まり形成された場所です。近年では、中国人も集まってきているそうです。
福富町のトラブルがニュースに取り上げられることもあり、治安は悪め。外国人トラブルも少なくないようです。正直、一般の人が住むには、あまりにも心配事が多い場所。男性であっても住むのは避けた方が無難です。
参考：読売新聞オンライン「ハマの歓楽街・福富町に悪質客引き「お兄さん、どこ行きたいか」…高額被害の相談急増」
参考：朝日新聞デジタル「酩酊しATMへ…横浜で高額被害相次ぐ 店からは90度超の酒も」
日ノ出町
日ノ出町も横浜の中では、あまりいい評判を聞かないエリアです。主な要因としては、黄金町の隣町であること。日ノ出町駅周辺には、現在も風俗店やラブホテル、競馬や飲み屋などが集まっている歓楽街であることも少なからず影響しているでしょう。
伊勢佐木町
横浜最大級の歓楽街ともいわれている伊勢佐木町。横浜市中区に位置し、伊勢佐木町商店街やイセザキモールなどの名所も有しています。一方、寿町が隣にあったりするため治安を懸念視する声は多め。多少、風俗店もあるため景観が気になる方は苦手かもしれません。
とはいえ、極端に悪いという話は最近は聞きません。女性や子育て世代の居住はあまりおすすめしませんが、お店が充実しているのでショッピングや飲み会などでは重宝することも多いでしょう。
初音町
初音町は南東に黄金町、北東に日ノ出町が隣接しているエリアです。そのため、2000年代初頭まで初音町にも、違法風俗店が多く存在し治安の悪さが指摘されていたようです。
隣接する町よりは悪い評判は聞きませんが、やはり黄金町・日ノ出町に近いのはネック。外国人も多いと言われているため、最低限の防犯意識は持ちたいところです。
若葉町
若葉町は中区の一角。そこまで評判が悪い訳ではありませんが、ある程度懸念があるエリアです。まず、伊勢佐木町に隣接しているので治安が心配。もうひとつは、外国人トラブルが増加傾向にあるところです。詳細は客待ち・客引きを行う外国人の男娼が増えてきているというもの。
前述の通り他エリアと比べればそこまで住みにくいという程ではありませんが、夜間ひとりで歩くのは少し怖い印象です。
参考：朝日新聞デジタル「売春目的で来日?夜の街に立つ外国人男性 「法律が追いつかない」」
末吉町
末吉町も横浜市中区の町です。末吉町の評判はそこまで悪くはありませんが、近くに黄金町・若葉町・伊勢佐木町などがあるため、連動して治安が懸念視されている地域です。今回紹介する中では比較的マシですが積極的に住みたい地域というわけでもありません。
曙町
曙町（あけぼのちょう）も中区に位置する町で、福富町と同じく風俗店が多いエリアです。そのため、住む場所としては、あまりおすすめできない地域です。
松影町
松影町は寿町の隣にある中区の町。ドヤ街である寿町に近いこともあり、敬遠されることが多いです。松影町にもドヤ（簡易宿泊施設）はあるようで、寿町と同一視される方もいます。
いずれにせよ、あまり積極的に住みたい場所ではありません。少なくとも女性や家族世帯は避けた方がいいでしょう。
野毛町
野毛町は横浜の中でも、飲み屋街として有名なエリア。美味しいお店がたくさん集まっており、若い世代の人達の姿も多いです。おいしい食と酒がお手軽価格で楽しめるので、野毛町に通っている地元民は多いです。加えて、野毛大道芸などのイベントも定期的に開催されている賑やかな町です。
参考：野毛大道芸公式サイト
いいところがたくさんある野毛町ですが、やはり飲み屋が多い歓楽街であるため住むとなると考えもの。地元民でも意見が分かれることでしょう。過度に警戒する必要はありませんが、酔っ払いトラブルには気を付けた方がいいです。
治安が悪いと噂されやすい横浜市の区
ここからは、さらに範囲を広げ治安が比較的悪いと噂されている区を紹介します。前提として、ここで紹介する区全体が住みにくいとは限りません。一部の人からは住みにくいと感じる要因が指摘されているという程度に捉えてください。
中区
中区は横浜の中でもダントツに治安が悪い場所。今回紹介した住んではいけないと噂されている土地の大半が中区です。中区で住む場所を探すなら、慎重に現地調査を行うべきでしょう。
一方、中区は横浜の中心部で観光スポットも多いため、アクセスが良好。商業施設や飲食店も充実しているので遊びに出かけるときには重宝します。
西区
西区も中区同様、横浜の中心部である区です。横浜駅やみなとみらい地区も、西区に含まれます。横浜の都心部ということもあり観光名所やショッピングモールなど商業施設の他、会社・ビルなどが多め。暮らしというよりもビジネスとアクセスという意味合いが強い地域です。
そんな西区の治安はエリア内によっても異なるようで、地区によってバラツキがあります。一概に悪い訳ではありませんが、当たり外れの差が激しいので住む場所選びは注意したいところです。
参考：西区「犯罪発生状況」
鶴見区
鶴見区も住むのは微妙といわれることがある区です。といっても、実際の治安はそこまで悪くはなく住みにくい要素もそこまで多くありません。ただ、鶴見区の東側は治安が微妙という噂を耳にすることはあります。その要因として、東側には治安が悪いといわれている川崎市が隣接しています。その影響があるのかもしれません。
また、鶴見区は横浜市内において中区の次に外国人居住者が多い区でもあり、南米タウンとよばれるエリアもあります。国際色が強いのは特徴でもありますが、同時に外国人に抵抗感がある方にとっては不安要素となりえます。
逆に横浜に住むならこのエリア
それでは、逆に何区が住みやすいのかについても解説します。ここでいう住みやすさとは大きな事件が少なく子育て世代でも暮らしやすいという観点から選出しました。
青葉区
青葉区は横浜市の中でもトップクラスに緑が多い区。市内には小学校など教育施設や公園が充実しており、治安も悪くありません。その反面、商業施設は他の区の方が充実している印象ですが、日常生活の買い出し程度であれば問題ありません。
磯子区
磯子区は横浜市内で犯罪件数が2番目に少ない区です。住宅エリアであるため、オシャレなお店やショッピングモールなどは少ないですが暮らしやすさという観点でいえば、有力な選択肢となるでしょう。坂道は多いですがJR線・京急線が通っている駅もあるため、都心部へのアクセスも優秀です。
緑区
緑区は横浜市内における住宅・農業エリアです。青葉区同様、緑が多い区でもあります。大半が緑農地ということもあり、緑区の治安は良好。家族連れの世帯の人気が高いです。
横浜市民としての筆者の印象
筆者は横浜で暮らして30年以上。良いも悪いも横浜を知っているつもりです。その経験から住むエリアを筆者の個人的な感性で語るのであれば、わざわざ優先して今回紹介した土地、特に中区には住まないです。
たしかに中区はアクセスが良くお店が揃っていて利便性がとてもいいですが、そのぶん飲み屋や歓楽街、外国人居住地域が多め。昼間であっても入りたくない路地も少なくないので、住みやすいとは言いにくいです。慣れていない人は大通りであっても夜間ひとりで歩くのは少し怖いと感じるかもしれません。
住んではいけない横浜の土地に住むメリット
ここまでボロクソに治安の悪さを解説した土地にも居住するメリットは少なからず存在します。ひとつは賃料相場が安いケースが多い点。今回紹介した地域は治安が悪いという噂が広がっている影響もあり人気も低め。積極的に済みたがる人はそう多くありません。そのため、賃貸物件などは比較的安くなっていることも多々あります。
もうひとつは注意しなければいけない場所は、ごく一部であるという点。治安が悪いと言っても基本的には警察が定期的にパトロールしていますし、普通に暮らしている方もいます。暗い道や路地裏、怪しいお店は避けた方がいいですが、それはどの土地でも同じ話です。
はまっ狐それでも積極的には住みませんが…
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横浜で賃貸物件を探すときは不動産選びは重要です。ただ、不動産会社も千差万別。良い所もあれば微妙なところもあります。大手不動産ですら店舗によって評判が大きく異なる始末です。実際、筆者も横浜の賃貸物件を探しに賃貸会社を巡り回った際、何度も日ノ出町や黄金町の賃貸物件を紹介されたり、ひどいときは内覧に行ってみたら部屋中、蜘蛛の巣だらけで虫の残骸が散乱していたケースもありました。
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横浜にも治安が悪いと噂されるエリアはある
華やかで暮らしやすい印象がある横浜ですが、すべてのエリアがそうという訳ではありません。一部のエリアは住むのにやや懸念もあるため、事前の下調べが重要となります。
今回紹介した土地は、必ずしも住んではいけないというほどではありません。ただし、住みにくいと噂されるだけの理由はあるため、物件を決める前に地域を散策し問題がないか確認しましょう。
今回の記事を参考に、より良い横浜ライフを目指してみてください。